パウエルストリートのパフォーマー その2 

(eNews1月号のつづき)

1940年、Aiko Saita氏、Sally Nakamura氏共に日本でのエンターテイメントのキャリアを着実に築いていました。しかし第二次世界大戦により2人の順調な生活は途絶してしまうのです。英語での歌のパフォーマンスは政府により禁止され、市民権を持たない日系カナダ人歌手はオペラ上演を禁じられました。これによりSally氏の歌手としてのキャリアは絶たれたものの、そこから新たに映画俳優としての道を歩むこととなります。日本の公共放送NHKも宣伝ラジオ番組の英語のナレーションとして彼を採用しました。一方Aiko氏は、アジアに駐留する日本軍に向けたパフォーマンスを行っていましたが、ロシアの収容所に送還され拘束されてしまいます。 

戦後は、英語の歌を歌うパフォーマーの需要が一気に上昇し、Sally氏は新しく設置されたアメリカ軍基地の兵士が通うクラブで有名歌手となり、俳優活動も継続していました。Aiko氏は日本に戻り活動を再開できるまでに至り、1953年には、日系カナダ人コミュニティからの支援に対する感謝の気持ちを込め、カナダでコンサートツアーを行いました。しかしバンクーバーでのツアー中に発病し入院を余儀なくされ、日本へと戻ることになります。東京逓信病院に入院中、Sally氏は自身の幼馴染の元を訪れ、Aiko氏への血液の提供を依頼しますが、彼女の病状は回復せず1954年に息を引き取ります。 Sally氏は1992年にこの世を去るまで、東京での活動を続けました。この2人のパフォーマーはパウエル街住民の誇りでした。2004年には、Aiko Saita記念コンサートがバンクーバーで開催されました。 

映画「恋人」にてAiko Saita氏の歌唱 

Photo: Aiko Saita – Courtesy of the Japanese Canadian Artists Directory