こどものくにインタビュー!【後編】障害児保育の取り組み

2〜5歳の子どもたちが通うBC州認可のチャイルドケアセンター、こどものくに。前回のインタビューでは保育の基本としている、エマージェント・カリキュラムを中心にお話を聞きました。今回のインタビュー(後編)では障害児保育や次年度について、じっくりお話を伺っていきます。

保育の現場では、すべての子どもたちの多様なニーズを正しく理解し、子どもや親に対して適切なサポート体制を作ることが重要です。発達障害など、追加支援が必要な子どもに対してどのような取り組みを行っていますか?

発達障害は行動面で気づきやすいものから、そうでないものがあり、特にまだ言葉を十分に話せない幼児の場合は気づきや対応が遅れがちになります。ここカナダでは国や行政による支援体制がとても充実しておりますが、その一方、需要の高さから支援を受けるまでの過程は長く、認定を受けるまでに数年ほど要します。そこで、私たち保育士による早期発見と、サポート体制を整えることが大変重要になってきます。

親・家族として障害に向き合うことは容易なことではありません。保護者がしっかりと事実と向き合えるよう、私たちはなんどもカウンセリングを重ね、保護者の不安な気持ちを受け止めながら、信頼関係を築いていきます。

サポート体制を整えるにあたっては、障害児保育に関する専門的な知識が必要不可欠です。こどものくにの保育士は専門家から直接指導を受けながら、その子にあったプランを考えていきます。例えばBC州には発達支援を行うBC Centre for Abilityという特定非営利団体があるのですが、そこと連携しながら、子どもと保護者のサポートをしていきます。

具体的にどのようなサポート体制がありますか?

BC Centre for Abilityは、専門医によるカウンセリングサービスがあり、ご家族のご相談にいつでも対応できる環境が整っています。また専門スタッフがこどものくにに来園し、保育士に助言及び指導してくれます。障害児保育研修が充実しているので、私たち保育士は発達障害について正しく理解しサポートできるようになります。

発達障害と決まった子が園にくる場合は、サポート体制はどのようになっていますか?

こどものくにの保育士が、BC Centre for Abilityのスタッフや行動心理アドバイサー(Behaviour Consultant・ Behaviour Interventionist)と一緒に、「Care Planケアプラン」という、その子のためだけの指導方法や学習教材を考えます。この綿密な対応策は定期的に見直され、「作ったら終わり」ではありません。

Behaviour Consultant とBehaviour Interventionistの違いについて教えてください。

Behaviour Consultantは、障害のある子どもの行動観察をし、専門医が開発した応用行動分析(ABA)に当てはめながら、その子にあった「Behaviour Plan行動事実レポート」を作成する、専門家です。修士課程を終了し、資格を必要とする職業です。 Behaviour Consultantの他の役割として、そのプランを元にBehaviour Interventionistへの指導や、必要性があれば、保護者や保育園・幼稚園・学校などと連携して子どもの行動面での改善を目指した提案も行います。

一方、Behaviour Interventionistは、Behaviour Planに基づいた指導法がご家庭や、保育園、幼稚園などで実施できるよう教えるトレーナーであり、資格を必要としません。学生や保育士などがアルバイトとして携わることが多いです。

Care PlanとBehaviour Planは違うものですか?

「Behaviour Plan行動事実レポート」を基に、実際のケアの種類や内容などを決める計画書がCare Planです。その子のためだけのオーダーメイドの計画書なのです。

Behaviour Planは、保護者の方とのカウンセリング内容によりますが、大体子どもの問題行動の改善や、スピーチ、ソーシャルスキル、セルフケア関連のスキルの向上をゴールとする場合が多いです。

頼りになるサポートがたくさんあるのは、とっても心強いですね!それでは最後の質問です。今秋、日本語環境デイケアを開園予定だとうかがいました。詳しく教えていただけますか。

1日8時間の長時間、子どもを預けられる日本語環境デイケアを準備中です。すでに市の許可も下り、2022年1月頃の開園を目指し進めております。

現在LOWER MAINLANDには長時間保育が可能な日本語環境デイケア(BC州公認3-5歳グループケア、最大25名)を提供している施設はなく、こどものくにが唯一の保育施設となります。

対象年齢は3−5歳と、こどものくにで既に提供している日本語環境幼稚園プログラムと一緒ですが、目的が違います。幼稚園の方は、日本語や日本の文化など学習する機会を積極的に導入したアカデミックな要素が強いのに対し、デイケアは1日の生活の中で日本語や日本の習慣に触れていきます。子どもたちが、強制される事なく、自然と日本の言語や文化を身につけていくのが魅力の一つですね。

日本語環境デイケア情報は詳細が確定次第、ホームページ・ツイッター・フェイスブック・インスタグラムにて掲載いたします。ご興味のある方は、そちらをぜひご覧ください。

 


*BC Centre for Ability

BC Centre for Abilityは、発達支援を行う特定非営利団体で1969年の設立以来、ブリティッシュ・コロンビア州の障害を持つ子ども、若者、大人とその家族にサービスを提供しています。